
キョードーメディアスは、2月13日(金)、KAAT神奈川芸術劇場(大スタジオ)にて、能のフォーマットを活用した音楽劇『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』を開幕した。同公演は3月1日(日)まで上演される。
「夢幻能」の形式で展開する2本立ての舞台

『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』は、KAAT神奈川芸術劇場の2025年度メインシーズン「虹~RAINBOW~」の最後を飾る作品である。現代演劇における言葉と身体、空間がおりなす可能性を開拓し、国際的に活躍する演劇作家の岡田利規氏(チェルフィッチュ主宰)による、現存する世界最古の舞台芸術「能」に触発された音楽劇だ。


同作は、2021年に上演された『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』の第2弾であり新作となる。前作に引き続き今回も、目に見えないもの、霊的な存在がその想いを語る「夢幻能」の構造を借りている。能の中でも「夢幻能」と呼ばれる形式の舞台には、さまざまな思いや願いを果たせないまま亡くなり成仏できずにいる幽霊が「シテ(主人公)」として登場する。思いを遂げられなかった理由の多くは、社会的・政治的な問題に起因するものだ。


今回は埋め立てが続く辺野古に生息していた『珊瑚』をシテとする1作と、社会の獰猛な渦に翻弄された女性に主眼を置く『円山町』の2本立てで上演。
主役である「シテ」には、アオイヤマダ氏と小栗基裕氏(s**t kingz)。「ワキ」には、石倉来輝氏、七瀬恋彩氏、清島千楓氏。「アイ」には、片桐はいり氏が第1弾から続投する。また、謡手には奄美出身の里アンナ氏が参加。音楽は前作に引き続き、内橋和久氏が担当する。
演技とダンス、音楽などが融合したイリュージョン

今回の開幕に際し、作・演出の岡田利規氏は「俳優の演技、舞(ダンス)、音楽、謡と、各技術的なデザインなど、あらゆるものが結合して、お客様にイリュージョンを見せる、ということを可能にする上演を我々で創り上げることができました。そこに到達することができたので、すごく満足しています。観に来てくださる方には、そのイリュージョンを体験していただけることと、確信しています。ぜひ観に来てください。(一部抜粋)」とコメントを寄せている。

また、片桐はいり氏は「今、能楽六百有余年の知恵を拝借してお芝居をしています。昨日、なぜか突然『これはAIにはできっこない!!』と確信して、体がぶるると震えました。何かがみなぎりました。ぜひ横浜にお越し下さい」とコメントしている。

チケット料金は全席指定・税込で、一般7,000円のほか、神奈川県民割引、U24チケット、高校生以下割引、シルバー割引などを用意。いずれもチケットかながわにて取り扱う。神奈川県民割引は、前売のみ、枚数限定で販売し、購入の際には住所確認が必要だ。ほか、チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットでも購入可能だ。
車椅子で来場の場合は購入前にチケットかながわに問い合わせが必要で、未就学児の入場は不可。営利目的の転売は禁止となっており、公演中止の場合を除き、チケットの変更・払い戻しは行われない。また、開演後の入場は待機となり、指定席に案内されない場合がある。
今後は、兵庫公演が3月7日(土)15:00、8日(日)13:00に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、新潟公演が3月15日(日)13:00にりゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場、京都公演が3月21日(土)19:00、22日(日)14:00にロームシアター京都 サウスホールにて行われる。
古典芸能の要素を取り入れた幽玄な音楽劇を会場で楽しんでみてはいかがだろうか。
■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』概要
開催期間:2月13日(金)~3月1日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 (大スタジオ)
住所:神奈川県横浜市中区山下町281
チケット料金(全席指定・税込):一般7,000円、神奈川県民割引(在住・在勤)6,300円、U24チケット(24歳以下)3,500円、高校生以下割引1,000円、シルバー割引(満65歳以上)6,500円
チケットかながわ:https://www.kaat.jp
詳細:https://www.kaat.jp/d/miren2026
(山崎正和)